タクシー業界ニュース2020【金曜日更新】

ここではタクシー業界の最新ニュースをお届けします。とかくメディアや口コミなどで「何を信じてよいかわからない…」というお話しもよく頂きます。現在の取り組みや意外と知られていない情報など、何かお役に立てれば幸いです。

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随時更新しますので、宜しくお願いいたします!

2020年4月

▼【4/3】 中国大手企業などからマスク寄贈

新型コロナウイルスの感染拡大でマスクの品薄状態が続く昨今、全国ハイヤー・タクシー連合会と日本バス協会は中国のネット通販最大手「アリババ」の創業者、ジャック・マー氏からマスクの寄贈を受けた。

合計枚数は50,000枚で、それぞれ全国ハイヤー・タクシー連合会が35,000枚、日本バス協会が15,000枚の寄贈を受けた。

今回の寄贈は、マー氏が会長を務める「アリババ公益基金会」「馬雲公益基金会」が日本に寄贈した100万枚の一部。配布先の内訳は医療機関を筆頭に自治体がメインとなっており、東京都に10万枚。公共交通機関ではバス・タクシーのほかにもJR各社にも届けられた。


日本から中国への支援物資として防護服などが提供されあことへの恩返しだと話していた。

また、東京の大手タクシー会社の「大和自動車交通」も業務提携する中国・上海市のタクシー大手「大衆交通」から3,600枚のマスクを受け取った。

いずれも新型コロナウイルスの感染防止対策として大和自動車交通が今年、大衆交通に2回、合計で3,650回送り届けている経緯があった。大衆交通は「新型コロナウイルス発生当初、防疫物資が不足の際も救いの手を差し伸べてくれた。誠実な友情に感謝する。共に努力すれば疫病に打ち勝てるだろう」とメッセージを寄せた。

また大和自動車の前島社長も「清潔感あふれるマスクをいただき、人と人との絆は強いと感激した。人間的なつながりから、事業発展の糸口になるだろう」と語った。

ここまでになると、「国と国」というより「人と人」、「事業者と事業者」になってくる世の中ではないでしょうか。互いの信頼がなくてはこの困難は乗り切る事はできません。目に見えないものを世界レベルで不安に思うというのは100年に一度あるかどうかの経験ですし、将来は歴史の教科書にも載ることでしょう。だからこそ未来のタクシー業界…それに限らず公共交通機関に携わる人々がこの事態を振り返り、全く知らない世代に教訓として説いたときに、「こうして乗り越えた」というのを誇りを持って伝えられるように、とにかく今は、頑張らなくてはいけません。

2020年3月

▼【3/27】 チェッカーキャブ無線が加盟会社にマスク配布。

東京チェッカーキャブ無線協同組合では、このほど加盟会社46社に合計11万枚のマスクを配布し、各社配属のタクシー乗務員のマスク不足を支援している。
※なお、このマスクは新型コロナウイルス問題浮上前に『拡販用』として大量注文可能な時期にストックしておいたものとのこと。

チェッカーキャブ無線協同組合は各加盟会社にマスクを11万枚配布。
お客様向けのものだが、「乗務員にできるだけ確保」という形をとっている。

チェッカーキャブでは『本来はインフルエンザ予防や花粉症対策でお客様へ向けの配布を考えていたが、大半は感染拡大防止の観点から、乗務員優先とさせて頂こうと思っている』とのこと。

※一部の都内加盟会社は「こんな時だからこそ」と乗客へ手渡しを行っており、非常に好評を博している様子。

現状の国内マスク流通網は医療機関を最優先支給としているため「万一、底をついた際の対策として、マスクの自作方法などを動画で共有できないか」と検討している。

▼【3/19】 東京都内で6月にも相乗りタクシー実施予定。

国土交通省や配車アプリなどでも
実証実験は度々行われてきたが、本格実施で浸透できるか。

東京ハイヤー・タクシー協会と、東京都内のタクシーなどの業界団体がこの度、朝の時間帯のタクシー不足解消のため、「相乗りシャトル」を本年度6月にも実施する方針を固めていることが明らかになった。同協会の川鍋会長が発表。

国交省が今年度中に相乗りを制度化する予定あり、タクシー1台の車両を有効活用するのが狙い。
タクシー業界団体もこの方針には積極的な姿勢を見せており、顧客満足度を向上させたいとしている。


数年前から話には上がっており、海外では通例となっているケースはあるものの、見知らぬ乗客が同乗して一定区間を運行するという点で、国内で浸透することが出来るのかという懸念もあった。

▼【3/13】 タクシー会社各社、感染症対策講じる。

新型コロナウイルスの感染予防策として、タクシー会社の取り組みが全国区で広がりを見せている。
タクシーに限らず、二種旅客業、観光業にとっては業種の垣根を越えて未曾有の事態であるからに他ならない。

日本交通プレスリリース

国際自動車プレスリリース

大和自動車プレスリリース

帝都自動車プレスリリース

東京無線プレスリリース

求職者との面接時はどうしても対面での対応は避けられない状況である。そこで企業によっては従来の地方在住の方向けの都内で行っている「電話面接」をこの度緩和したり、互いにインターネット環境が整った状況であれば「WEB面接」も行う場面も出てきた。

求職者の方へは 電話面接の他、
インターネット接続が可能であれば
web面接を敢行している。

LINEやSKYPEなどのSNSアカウントを通じての面談を行う形に積極姿勢の企業も。従来通りの来社しての面接も敢行はしているが、『マスクを着用』という条件下で行っているようだ。日の丸交通面接ポリシー(外部サイト)
また、注目のタクシー車両も、感染予防に、除菌アルコールに加え、空気清浄機、クレベリン発生機等で新型肺炎への徹底予防を務めている。

タクシー会社各社の感染予防対策は抜かりなく実施されている。
(写真は都内大手グリーンキャブ様車内に搭載された「クレベリン」。)

営業所内もこのようにアルコール消毒など抜かりない。
(写真は都内大手グリーンキャブ様より抜粋。)

▼【3/2】 「JapanTaxi」新会社名称発表。

タクシー大手四社の日本交通グループが提供する配車アプリ『JapanTaxi』は2月27日、今年度4月1日よりDeNA社との統合に伴い、新会社名称を「モビリティ・テクノロジーズ」とすることを発表した。

当面は双方の各種サービスを引き継ぐ形となるので、
利用者にとっては一安心といったところ。

略称は「MoT」。但し混乱を避ける面もあり、アプリの名称は当面変更はない様子。なお川鍋社長は会長職に就く。代表に就任するDeNA乗務志向役員オートモーティブ事業本部長の中島宏氏は『MaaSをはじめ、交通の進化を日本で実現するにはタクシーの存在が欠かせない。モビリティの発展をテクノロジーで牽引していくという思いを込めた』とのこと。


アプリ名称もさることながら、両社の各種サービスは引き続き提供していく。今回の新社名の正式決定は3月中に開催される同社の株主総会を経て発表される見通しだ。

2020年2月

▼【2/28】 帝都自動車と京王自動車、業務提携開始。

首都圏タクシー大手四社の帝都自動車交通(京成グループ)は、私鉄系タクシー「京王自動車」と令和2年2月24日付けで、タクシー業務の提携を結んだ事を発表した。

今後京王自動車のタクシー車体は順次帝都自動車の仕様に切り替わりを進めていくとのこと。

『東京私鉄自動車協同組合(以下:私鉄協)』時代の行灯もすべて帝都自動車交通に変更となる。車体色は黒色で統一する予定で、京王自動車で行っていた無線配車業務は帝都無線共同配車センターで行う。

帝都自動車の車両。
今後京王自動車の車両も順次更新していくとのこと。

昨年9月中旬の発表から約5か月余り、ついにこの日を迎えた。これに伴って京王自動車・小田急交通・京急交通の3社で組織していた私鉄協は同年2月23日をもって共同配車業務を終了。
なお、残り2社は小田急交通が「私鉄共同無線センター」を立ち上げ、京急自動車と共に今後引き継ぐ形となる。

昨年のタクシー業界ニュース「2019/9/27 京王自動車が帝都自動車と業務提携

▼【2/21】 国交相がタクシー会社の対策を視察。

タクシー会社視察の様子。
二種旅客業はなんとしても乗り越えなければいけない場面に
直面している。

赤羽国土交通大臣は2月16日、新型コロナウィルスに対するタクシー会社の対策を視察した。
当日は東京都足立区にあるタクシー会社の営業所を訪れ、車内搭載のシートベルトや手すりを消毒する様子などを視察。国土交通省としてタクシー・バスの2種旅客業団体に対しマスク着用の徹底、さらに体温測定による健康管理を含めた感染対策の徹底を要請、「今回のコロナウイルスの感染経路が若干不明な事案も出てきたことに対して、官民挙げてしっかり対決していくんだという思いで通達を出させていただいた」とのこと。

 また、事業所単位でも不足が懸念されるマスクについても「交通事業者に対しても優先的に供給される態勢が必要」とし、関係省庁と連携し購入手当の導入を検討するなど、対応を急ぐ考えを示した。

都内のタクシー会社も乗務員のマスク徹底とアルコール消毒、そして連日の点呼時による注意喚起を怠らずに行う姿が目立った。各社が無線会社の垣根を超えてこの困難を乗り越えていかなければならない状況だ。

▼【2/7】 国内2大配車アプリ「JapanTaxi」と「MOV」が今春統合へ

戦国時代の配車アプリ業界はついに経営統合という形で
再出発を図る。

タクシー大手四社で配車アプリ『JapanTaxi』を提供する日本交通とDeNA社は2月4日、今春4月1日より両社の配車アプリを統合することを発表した。
DeNA社が配車アプリ事業(MOV)を分割し、JapanTaxiに合流する形となる。統合後は社名を変更する予定とのこと。

タクシー業界が思うよりも配車アプリの世の中への浸透が
まだまだ道半ばであることが浮き彫りになった今回。
今回の統合は大きな打開策を発見できるか注目だ。
(左から日本交通代表川鍋代表・DeNAの中島常務執行役員)

配車アプリ業界では現在、各社で割引クーポンをはじめとするサービスを行うなど、競争が激化。
現在日本では主にソフトバンク社と中国の滴滴出行の共同出資で運営する『DiDiモビリティジャパン』(東京・大阪など23都道府県で展開)
ソニー社とタクシー会社各社が共同で出資するみんなのタクシーが都内を中心に手がける配車アプリ『S・RIDE(エスライド)』
また、ウーバー社の日本法人『ウーバージャパン』も大阪府や福岡県で展開している。

今回の統合の経緯は『JapanTaxi』の昨年5月期の売上高は19億円となったものの、営業赤字は21億円であったことが大きい。
また、DeNA社も『MOV』を展開するオートモーティブ事業が昨年3月期に36億円の営業赤字を計上した。


両社ともメディアやポスティングをはじめとした広告活動を精力的に行ってはきたものの、利用頻度や認知度の向上とまでは行かず、この度統合という形で再編をすることとなった。

MaaSも含め、需要と供給の利便性向上がどんどん進んでいく…かと思いきや、ある統計によると国内の月間タクシー輸送回数は約1億回に上るものの、国内の全配車アプリシェアはたったの約2%だったそうです。私も首都圏に限らず、多摩地区や神奈川県内の営業所に回る機会がありますが、現状は乗務員さんの高齢化による 「覚えられない」「スマホサービスへの警戒」「地域的に根付かない」と言った話が多く寄せられたのが印象的でした。勿論、地域によってはものすごく成果を上げている場所もありました。ですが、従来通り「地域密着」や「元々常連顧客が定着している」「現状のままでも不便がない」ような地域ですと、圧倒的に月間のアプリ配車は少なく、そうなれば乗務員さんもなかなかご用命に上がる機会も減っていくという連鎖が起こります。すべてが首都圏や神奈川京浜地区の一部と同じ照準で考えてしまうと、かなり分が悪いサービスではないかと、ここに来て浮き彫りになってきた矢先の統合→新たなサービス模索という形を取ったのでしょう。MOVは神奈川京浜地区では特に需要が大きいので、そのビジネスモデルを無駄にせず、今後はより地域だけでなく、利用者のニーズ、そして使用する会社・乗務員のニーズ、メリットを深く考えるべきではないかと思います。配車アプリ会社があまりにも増えすぎたため、統合という形で一旦の収縮を図るのは、これから先も出て来そうな予感がいたします。

2020年1月

▼【1/31】 日本交通がセダン約1500台を「JPN TAXI」へ切り替え完了

タクシー大手四社の日本交通は1月24日、自社直営の事業所に配属のセダン型車両約1500台を、トヨタ社の「JPN TAXI」への切り替えを完了したと発表した。
2017年に発売された次世代型タクシー車両で、セダン型車両からの置き換えが全国的に進行。
現在日本交通では直営営業所以外の提携会社でも導入が進んでいるとのこと。

首都圏では順調に置き換えが進んでいるが、
営業所、無線会社によってまだばらつきもある。
従来のタクシー車両に比べて快適性は
大きく向上している。

2019年末現在、都内全域の同グループ内タクシー車両4605台のうち約6割の2836台が「JPN TAXI」となっている。
尚、配車の際はタクシー配車アプリ「JapanTaxi」での車種指定も可能とのこと。

日本交通によると、「JPN TAXI」は広い室内空間・スライドドアなどお客様には非常に好評で、実際に乗車された方の約86%が「広くて快適」、約76%が「また乗りたい」と回答している(日本交通自社リサーチ状況)。

▼【1/24】 東京2020へ向けてMaaS実証実験スタート。

いよいよ今夏に迫った『東京オリンピック・パラリンピック』へ向け、訪日観光客が主要空港から都内へ移動の際にスムーズに誘導が可能なMaaSの実証実験が日本交通、日の丸交通、ZMP、東京空港交通、東京シティ・エアーターミナル、三菱地所、JTBの7社企業参画の下、1月20日から開始された。

※自動運転タクシーは、安全面確保の観点から運転手が同乗する。

内容はリムジンバスが従来通り羽田・成田空港からT-CAT(東京シティエアターミナル)を走り、以降は東京丸の内まで自動運転タクシーが運行。目的地に到着すると、なんと1人乗りの自動運転モビリティ(ロボカー・ウォーク)に乗換え、移動するという形だ。

乗車の際は事前にスマートフォンなどから専用アプリをダウンロードし、目的地を予約。現地に到着後はQRコードを読み込む形でスムーズにお客様を運ぶ。

1人乗りの自動運転モビリティ(ロボカー・ウォーク)
数年後はこの風景がありふれた日常となるか。

実証実験は2月1日まで行い、早期に事業化を目指していく。尚、すでに予約で満席とのこと。実証実験に先立ち、日の丸交通の富田和孝社長は『今回の実験を通じて、配車フラットフォーマー、自動運転を開発しているメーカー、タクシー事業者が連携して新しいサービスを担えるということを証明したい」と語った。

▼【1/17】 新大阪駅タクシー乗り場を2月よりリニューアル。

新大阪駅の新幹線南口タクシー乗り場。
観光客・出張族からは「非常にややこしい」ので有名。
今回ようやくテコが入りお客様もタクシー事業者も一安心というところ。

大阪市域交通圏タクシー特定地域協議会活性化分科会ワーキンググループは、新大阪駅タクシー乗り場をリニューアルすることを発表した。令和2年2月1日よりスタートする。これらを受け、「小型車」「中型車」「近距離車」の3区分に分かれていた乗り場を統合し、『新幹線南口のりば』・『東口のりば』・『阪急ビルバスターミナル1階のりば(阪急専用)』3か所のタクシーを車種区分や距離に関係なく併用できるようになる。

一応差別化は図っていたものの、
なかかな判別も難しく…。

新大阪駅のタクシー乗り場はこれまで近距離乗り場は概ね3キロ圏内と定めており、ドライバーの見極めが困難であり、乗車しようとしたタクシーのドライバーから近距離乗り場に行くよう指示された乗客が『乗車拒否』と受け止めるケースも度々発生しており、苦情やトラブルが絶えなかった。

タクシー事業者も統合を求める声が多く、一昨年の提案事例もあり、今回ようやく実現に至った。
大阪府全域を含む近畿圏のタクシーは2月1日に運賃を改定することが決定しており、乗車料金に関してはこれまで「小型車」と「中型車」とで分かれていた車種区分を「普通車」に統合する。

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