初めての体験入社で役立つタクシー豆知識~用語集~

■タクシーのお仕事ってどんなお仕事??

多くの人が一度は利用したことがあるであろうタクシーのお仕事はお客様を希望の目的地までお乗せすることが主な業務内容です。タクシーやバスのようにお客様を乗せて走行するためには二種免許という特別な免許が必要になり、東京23区でタクシー業務を行う場合は地理試験という東京都内の道路の名前や建物の名前を覚えるための「地理試験」が必要になります。

■タクシーの勤務形態

タクシーのお仕事の勤務形態は「隔日勤務」と呼ばれる勤務が基本になります。2日分の労働時間を1日でこなし、翌日が「明け番」呼ばれるお休みとなる勤務形態です。これをワンサイクルとして「1乗務」となります。月11~13乗務と定めている会社が多く、明け番と会社が定めるお休みを合わせると月の約半分がお休みになります。

■タクシー業界の専門用語

タクシー業界では業界特有の専門用語が多数飛び交っています。タクシーのお仕事を体験する際に覚えておくと便利なものばかりです。業界用語を知ることでタクシーのお仕事内容も少しずつ見えてきます。

・相番(あいばん)

タクシーでは普通一台の車を二人の乗務員が担当し管理する。自分が乗務した車は綺麗に洗車して、次の乗務員に引き継ぐ。この相手を相番という。

・明け番(あけばん)

タクシー乗務員の仕事は二日分の労働時間を一勤務で消化するため翌日は休みとなる。これは休日ではなく、二日分の休養を取るため。

・足切り(あしきり)

タクシーの給与の大部分を占めるのは、売上に応じて支払われる歩合給である。
この歩合給はある一定額以上の売上に対して支払われる。この一定額が足切りと呼ばれる。

・行灯(あんどん)

タクシーのルーフに付いているタクシーのサイン。
天井灯ともいう。タクシーは必ずこれを装着しなければならない。

・運行管理者(うんこうかんりしゃ)

乗務員の勤務時間、睡眠時間、休憩時間、健康状況などを監督するのが主な業務。運行管理者は国家試験である運行管理者試験を受験し「運行管理者資格者証」を取得しなければならない。

・営業区域(えいぎょうくいき)

タクシーが営業を許可されている区域のこと。
法律により、各タクシー会社が営業できる区域は指定されている。
「区域から区域外へ」や「区域外から区域へ」は可。

・AB型(えーびーがた)

タクシー会社の給与体系の一つ。給料の一部が積み立てられ、賞与として支払われる方式。

・LPガス(えるぴーがす)

タクシーの燃料はガソリンではなくLPガスを使用している。
LPガスはガソリンに比べ価格も安く経費節減となるため、昭和30年代頃から使用されるようになった。

・介護タクシー(かいごたくしー)

ヘルパーの資格を持った乗務員が、移送サービスをしてくれるタクシーのこと。
最近各地でこのサービスをするタクシー会社が増えている 。

・回送(かいそう)

給油、食事、休憩、帰庫等のため空車で走行すること。
お客を乗せる意思が無いことを明示するため、必ず回送板を外から見易い場所に掲示しなければならない。

・観光タクシー(かんこうたくしー)

時間制の料金で、観光地をタクシーでめぐるサービス。
観光タクシーを実施している会社では、地元の観光地・スポットに精通したベテラン乗務員を用意していることが多く、利用人数に応じて小型車からマイクロバス、車椅子のまま乗れる車両を準備していることもある。

・黒塗り(くろぬり)

黒塗りの車両はハイグレード車を使用している。タクシーでも黒塗りで内装も立派な車両を使用して差別化をはかる。運賃は普通のタクシーと同じ。

・個人タクシー(こじんたくしー)

社長兼乗務員として、個人で運営するタクシーのこと。10年間の乗務員経験、5年間交通違反の処分を受けていないこと、3年間無事故無違反等厳しい資格審査がある。
更に事業主としての法令知識についての学科試験に合格しなければならない。

・GPS無線配車(じいぴいえすむせんはいしゃ)

GPSは、もともと米国国防総省が軍事目的に開発した、全世界的な高精度位置測定システム。地球上空2万1千kmに打ち上げられた軍事衛星27基の内3基からの電波を受信し、三角測量の原理で自分の経度と緯度を測定している。GPSを使えば広範囲に正確な車の位置が確認できるため、タクシーの配車システムに利用されている。

・乗禁地区(じょうきんちく)

羽田空港や銀座周辺は法律で定められた流し禁止区域。タクシーがこの区域内でお客を拾うと法律違反となる。

・乗務員証(じょうむいんしょう)

大都市のタクシー乗務員は登録が必要で、登録した者に運転者証が交付される。 利用者が見やすい場所に掲示することが義務化されている。

・タクシーセンター(たくしーせんたー)

1960年代、神風タクシーや乗車拒否が社会問題化し、公正中立な立場でタクシーを良くするための機関が、臨時立法で東京と大阪に設立された。
設立当時は「近代化センター」という名称だったが2002年に現在の名称に変更された。業務内容はタクシー運転者の登録、指導、研修、地理試験、乗場管理、苦情、要望の受け付け処理など。

・タクシーチケット(たくしーちけっと)

現金に代わってタクシー料金の支払いの出来る乗車券のこと。
タクシーを頻繁に利用する大会社が発行する後払い約束書。 タクシー会社が発行する物、クレジットカード会社が発行する物などがある。

・タクシーランク(たくしーらんく)

東京タクシーセンターが2001年度から推進している「タクシー事業者ランク評価制度」のこと。
より良質なタクシーサービスの提供を促進するために導入された。
東京の法人タクシー事業者を対象に、接客サービスに関する情報や、安全に関する情報、さらに事業者の法令遵守に関する情報を東京タクシーセンターが収集し、評価するもの。
具体的には、客観性および透明性を確保するために、数値化による評価方式を採用。100点満点からの減点法で評価点数を算出し、AA、A、B、Cの4段階に分類する。このうちAAおよびAの評価を受けた事業者は優良法人タクシーとして認められ、優良ランク事業者リストに公表されるほか、利用者が識別できるように車両にステッカーを貼って表示している。

・地理試験(ちりしけん)

東京地域(23区、武蔵野市、三鷹市)、大阪地域、神奈川県(横浜市、川崎市、横須賀市及び三浦市)では、この「地理試験」に合格しないと乗務する事ができない。試験はタクシーセンターで行われており、「道路、建造物、公園、名所、旧跡、鉄道」など40問ほど出題され、合格点は80点以上となっている。

・付け待ち(つけまち)

駅、ホテル、公共施設等に設置されたタクシー乗り場において乗客が来るのを待つ営業方法。

・流し営業(ながしえいぎょう)

走行してお客様を探す営業方法。

・二種免許(にしゅめんきょ)

普通免許では旅客を運送することは出来ない。 普通二種(タクシー・ハイヤー)乗車定員10人以下の営業用普通自動車免許が必要。受験する為の条件 21歳以上・第一種普通か第一種大型特殊の免許取得者で取得期間3年以上。

・日報(にっぽう)

乗務員は1日の全作業の報告書を書くことが法律で義務づけられている。
1回毎の仕事について、乗車時間、乗車場所、男女別人数、降車場所、休憩をとった時間と場所、1日の全走行キロ、実車キロ、仕事の回数、加算回数、等終了時のメーター指数を記録し出発時の指数との差額で運賃額を計算する。最近では自動日報が増えており、手書きで書く必要がなくなっている。

・ユニバーサルデザインタクシー(ゆにばーさるでざいんたくしー)

「全ての人が利用できる」ことを目指した商品開発。 「ユニバーサルデザイン(UD)」の考え方に因んで開発されたタクシー車両のこと。 主に障害のある人を乗せるだけでは、車両価格が高く採算がとり難くなるので一般の人も乗れるデザインの車となっている。

・四社(よんしゃ)

東京の大手四社の俗称。『大和自動車』『日本交通』『帝都自動車』『国際自動車』それぞれの社名は「大日本帝国」を分解したもの。これを大手4社と呼んでおり、タクシー業界では東京だけでなく日本を代表する大会社。

・ロング(ろんぐ)

遠距離乗車の仕事。乗務員にとっては涙が出るほど有りがたい。

他にも専門用語はたくさんありますが、ここではタクシーのお仕事を知る為の用語をご紹介しました!奥が深いタクシーのお仕事。気軽に体験できるので是非一度体験してみてはいかがでしょうか?

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